激動の時代に対応できる柔軟な姿勢と情熱を育てる。
何万年も続いた人類の歴史の中で、現在の高齢化、尊厳死、地球温暖化のような問題は、人類にとって初めて直面する問題です。高齢化が社会問題となったのはこの30年以内のこと。尊厳死についても、最近の救命措置の急速な進歩により、命の操作が可能になり、尊厳ある生を脅かすようになってきました。
私自身、初めて経験することばかりの社会を生き抜いてきています。私が東大医学部の医局員であった当時、原因不明の奇病「スモン」がキノホルムという薬による薬害だということを発見し、多くの人を救うことができました。世の中はつねに変化し、進歩しています。今、正しい知識が10年後も正しいとは限りません。名古屋学芸大学では、この激動の時代にあって、どんな社会の変化にも対応できる柔軟な姿勢と情熱をもって未来を開拓できる人を育てることに全力を挙げています。
「伸びる力」を伸ばす環境を、全力をあげてつくる。
そもそも大学は、地域や社会の「必要」から生まれました。だからこそ、地域の大学は、地域の最も切実な問題に対応する必要があります。地域とは地元の日進市、名古屋市でもあり、日本でもあるでしょう。本学では「一坪農園」における実験的な米や野菜づくりなどを通して、栄養士の知識だけでなく農業を介し、食料自給率が50%を割るような日本において、栄養士としてどのような未来を描くべきか、ものごとの本質を見抜く力を育成しています。
それぞれの学生の本来の能力を伸ばす環境を準備する、それが大学の役割です。人間は誰もが「伸びる力」を持っています。頭ごなしに叱ったり、知識を詰め込んだりするのではなく、いわば目的を持って学べる環境を用意し、本来の能力を伸ばす教育に全力をあげて取組み、本学は未来をも志向しています。50年後、100年後の大学は大きく変わるでしょう。高校を卒業した人が学ぶ大学から、多くの社会人が学ぶ大学へと変化したとき、伸びる力を伸ばす環境は、本学の一つの魅力となるでしょう。
自由闊達に未来を描き、日本に冠たる大学へ。
名古屋学芸大学は、人と関わりの深い衣食住と、それを媒介するメディアを学び、「知と美と健康の創造」を追求する大学です。管理栄養、ヒューマンケア、メディア造形と、異なる分野の学部が併設した大学であり、それが大きな魅力ともなっています。知と美と健康は三者一体。共通点を見出し、心一つに互いに連帯し、影響しあいながら、新たな価値を創造できる、それが名古屋学芸大学なのです。
魅力ある大学とはどのような大学か。かつて明治初年に創立された慶應、早稲田のような私立大学が、国立大学とは対照的に、自由闊達に未来の構想を描き、「建学の精神」を高らかに掲げ、日本に大きな影響をもたらしました。名古屋学芸大学も、「人間教育と実学」という建学の精神のもと、人と心をテーマに「知」と「美」と「健康」を創造し、この地域に、日本に、そして世界に大きな影響力を持つ大学を目指したいと願っています。

