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安全衛生と品質管理に関する勉強会 通算第25回(1/31金)のご報告

 平成26年1月31日(金)10時~13時、本学図書館5階多目的室にて今年度第3回(通算第25回)の勉強会を開催しました。

 講師は上野製薬株式会社 食品事業部 食品技術開発部 次長の上野 有史 氏。テーマは「食品添加物と食の安全」でした。参加者は30名(学生21名、社会人7名)。

 はじめに、上野製薬株式会社の紹介があり、続けて1.「食の安全と社会」、2.「食品添加物、特に保存性に関わるもの」、3「情報発信とコミュニケーションの取り組み」、4「総合的な食品衛生管理に向けて」について解説くださいました。参加者には「しあわせな食の未来のために~保存料メーカーが説明します~」の冊子も配布されました。上野製薬㈱様は消費依者に向けてもホームページやパンフレットで情報発信しています。討議では参加者全員が発言し情報交換が行われました。

【後日参加者から提出されたレポートより(抜粋)】

  • 先日は勉強会に参加させて頂きありがとうございました。食品添加物の殆どが植物由来であり、科学的エビテンスも大変シビアに行っている事と、適量を守って食品に添加すれば素晴らしい効果がある事を初めて知りました。
    今回の勉強会に参加してからずっと考えていた事があります。
    それは、日本人は原理主義的に“無添加”を信仰しているんじゃないかと感じております。消費者の衛生に関する視点は年々厳しくなっており、その上メーカーは営利企業である為、利益を出さなくてはいけません。その為、食品添加物を使用し続ける事は消費者が望んだ結果であると考えております。上野製薬様から頂いた資料の8ページにあるように、年間1100万トンの食品が廃棄されています。作りすぎ、買いすぎ、食べすぎの“無駄”を減らす為、食品添加物の技術は大変有用であると考えました。また、日本の食品添加物の技術を、今後人口が増えると見込まれる地域に輸出する事によって、新分野のチャレンジと食品のロスを防ぐ事ができるのではないかと考えます。今回の講演会で私の食品添加物の考えが変わりました。次回の勉強会も大変楽しみにしております。
  • この「食品添加物と食の安全」の勉強会に参加させていただき、食品添加物に対するイメージが大きく覆されました。現在では時代とともに、調理済み食品・加工食品の発達が著しくなりました。そういったうえで、日持ちが必要というニーズが発生し、保存料の活躍が出てきました。しかしこういった、保存料などの食品添加物はADIを下回るように使用基準が定められているのにも関わらず、避けられている存在であるという誤解は、多分ほとんどの人たちであると思います。
    また消費者は商品に記載されている“無添加”というこの言葉だけで多くの安心感を抱くと思います。しかし、安心と安全は全く違うものだということを今回の勉強会で学ばせて頂いたので本当に必要なのは安心よりも安全だということ、そして消費者の方が手に取りやすい値段であることを今一度、市場から考え直す必要があると思いました。食品添加物というものは様々な食品に使用され、今では私たちの食卓を豊かにしてくれています。将来、管理栄養士として栄養指導する機会があるのならば無添加食品が、無添加でない食品よりも健康に良いという科学的根拠は全くゼロというこの事実を包み隠さず伝えられたらいいと思いました。
  • 食品添加物は「怖い」「出来るだけ使用しない方が良い」というイメージを持たれることが多いですが、今回の勉強会に参加してそれが一概には言えないということが分かりました。食品添加物を使うメリットと使わないメリットの両方を正しく理解した上で、消費者が食品添加物を自主的に選んでいけるような社会を作っていくことが大切なのだと感じました。是非次の勉強会にも参加させて頂きたいです。