新型コロナウイルス感染症の位置づけは、2023年5月8日から季節性インフルエンザと同様の「5類感染症」になりました。コロナの脅威が無くなったわけではありませんが、長いトンネルを抜け出たような感覚がします。
子どもケアセンターでも、2023年度は、日常を取り戻す1年となりました。単にコロナ前に戻っただけではありません。コロナ禍を経て、私たちは、直接触れ合うことの大切さを改めて認識しました。子どもケアセンターで遊ぶ子どもたちの元気な声とかわいらしい笑顔、子どもたちを見守る大人たちの優しいまなざし、大人同士でおしゃべりしたり学び合ったりするときの生き生きとした表情…それらをかけがえのない宝物として、守っていかなければならないという思いがいっそう強くなりました。
今後も、感染症対策を講じつつ、触れ合いを大切にした子育て支援を目指していきたいと思います。
さて、2023年度から幼児保育専攻の1年生で「保育職キャリアデザインⅠ」という授業が始まりました。「保育職キャリアデザインⅠ」は、学生たちが、子どもケアセンターでの観察や体験を通し、保育職の役割や意義を具体的に理解し、保育職を目指す意欲を高めることを目的とした授業です。
今までも、さまざまな授業やボランティア活動の場として、子どもケアセンターは活用されてきましたが、大学生活がスタートする時期に、学生たちが子育て支援の現場に触れる意味はとても大きいと思います。特に、保護者のみなさまのお話を伺う経験は、保育実習でもなかなかできないこと。学生のレポートからも、保護者と関わる機会を貴重なものとして捉え、学びを深めていることが読み取れます。学生が成長できるのも、子どもケアセンターをご利用くださる、みなさまのおかげです。心より感謝申し上げます。
子どもケアセンターは、日進市から委託を受けた子育て支援施設であると同時に、大学の附属施設でもあります。地域貢献と研究と教育の機能を併せ持つという、子どもケアセンターの特長や強みを活かした取り組みを、これからも地道に続けていきたいと思います。ご理解とご協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
2024年4月1日
子どもケアセンター長 加古 有子
イラスト 照喜名 隆充