

2025年2月27日に開催された「名古屋学芸大学 2024年度教育シンポジウム」のテーマは、「4学部連携の横断的な学び~多様な考え方が育む力」でした。名古屋学芸大学には「管理栄養学部」「メディア造形学部」「ヒューマンケア学部」「看護学部」の4学部があります。せっかく4学部あるのだから、他学部の学生と交流する機会があれば、学生たちはもっと多様な考え方を獲得し成長できるはず。学生たちが横断的に学んだ事例をもとに、学部連携について考えていきましょう……というわけです。
このシンポジウムのなかで、三つの事例が発表され、そのなかの二つが子どもケアセンターに関わるものでした。一つは、子どもケアセンター事業のひとつ「遊びの交流会」に関する事例です。ヒューマンケア学部と管理栄養学部の学生が連携し、地域の親子に遊びを提供しました。もう一つは、設置型ベビーケアルーム「ママロ」のラッピングデザインに関する事例です。メディア造形学部とヒューマンケア学部の学生が子どもケアセンターをご利用のみなさまにインタビューし、そこで集めた子育て家庭の声がラッピングデザインに活かされました。
子どもケアセンターが学部連携の横断的な学びの場に選ばれたのは、社会につながっている場所だからこそ。地域のみなさまのご協力のおかげで、学生たちが異なる専門の学生と交流し、学びを深めることができました。学生のうちに他学部生の考え方を学び、多角的な視点を獲得しておけば、これからの多様性社会をしなやかに生きていくときの基盤になります。ありがとうございます。
よく考えてみれば、乳幼児が多様性社会をはじめて体験するのは、子どもケアセンターのような場所かもしれませんね。例えば、お友だちの遊びをまねて、新しい遊び方をしてみたとき、その子は、今までとは異なるものの捉え方、新しい価値観を獲得したともいえます。保護者のみなさまも、ほかの親子の関わり方に驚いたり感心したりしたことはありませんか?子育て家庭同士の交流を通し、新たな気づきを得られることもあるかもしれませんね。自分とは異なる考え方や価値観に触れる場所としても、子どもケアセンターをご利用いただければ幸いです。
2025年4月1日
子どもケアセンター長 加古有子
イラスト 照喜名 隆充