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名古屋学芸大学の紹介

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2020.03.23更新

【卒業生の皆様へ】学長祝辞

 2019年度卒業生の皆様へ、心からお祝いの言葉を贈ります。

 残念ながら、今年の式典は新型コロナウイルス感染症の影響で一堂に会する事ができませんでした。しかし卒業の意義は何ら変わるものではありません。

 今年度卒業生は、管理栄養学部166名、メディア造形学部265名、ヒューマンケア学部226名、博士前期・修士課程修了生13名、博士後期課程修了生2名、総計672名です。卒業生・修了生の皆様、「卒業おめでとうございます。」

 4年間の学生生活、あるいは2年ないし5年間の大学院の課程を修了し、晴れて社会人としての一歩を踏み出す皆さん、君たちが人間としてまた社会人として巣立って行くため、今後どのような人生に向かおうとも、これまでの大学生活は必ずや役に立ち、その礎になると確信しています。

 この大学生活で君たちがどのくらい成長をしたのか、皆さん自身が身に染みて知っていることと思います。また、この成長を見て親御さんや保護者の皆さんの喜びはひとしおであろうと思います。心からお祝いの言葉を贈りたいと思います。「おめでとうございます。」  

 今、ここに皆さんは学生生活に標を打つことになりました。本学の「人間教育と実学」の建学の精神を、身をもって体現され、卒業されるわけであります。社会に出て働くとき、本学で学んだことがどのように役立つか実感できると思います。

 人間教育とは、皆さんが本学で得た教養的、専門的知識ばかりでなく、友達であり、クラブでの活動であり、君たちを指導し導いてきた先生方であり、地域の人との交流であり、それら全てを含めての人間的繋がりを意味するものであります。すなわち、本学に在学の期間中、皆さんを成長させ、現在に至らしめたすべてのことであります。

 実学とは、卒業までに学んできた実際の学問・知識であり、それを基盤にした具体的な技術、技能であります。すぐ社会で役に立つものもあれば、あるいは社会活動で創造し、開発するための基礎となるものもあります。皆さんの中には学生時代に地域社会の中でボランティアなどの経験を積まれた方もいると思います。このような経験は、おそらく机上では学ぶことができない視野と経験を皆さんに与えたことでしょう。

 これから進んでゆく世界、あるいは日本の社会は、先の読めない時期に入っております。日本社会は少子高齢化という簡単に解決策を見出せない長期にわたる課題や、社会を二分するような意見の相違をはらんだ多くの問題、現に直面している感染症のような国を挙げて解決しなければならない問題が山積しています。君たちはこれらの問題にひとつずつ立ち向かい、自らの力で方向を見つけ、進んでゆくことになります。必ずしもそこにガイドラインや答えが見えているわけではありません。

 皆さんに心の支えとなる二人の先人の言葉を贈りたいと思います。

 一つはバーナード・ショーの言葉で
 Life isn’t about finding yourself. Life is about creating yourself.
 「人生とは自分を見つけることではない。人生とは自分を創ることである」。

 もう一つはネルソン・マンデラの言葉で
 It always seems impossible until it’s done. 
 「成し遂げられるまでは、いつでも不可能に思える」。

 この言葉をかみしめ、いかなる時も自らの夢を実現すると確信して自らの人生を築いて行ってください。

 大学は、毎年、卒業生を送り出し、新しい仲間を迎え、日々変わりながら進んでゆきます。これからも本学は君たちが築いてきた歴史と伝統を受け継いでゆきます。消えることはありません。

 すべての卒業生の皆さん、名古屋学芸大学は君たちの母校であり、心のよりどころであります。将来、苦しいとき悩んだとき、名古屋学芸大学を思い出し、先生たちを訪ねてみてください。また、社会の進歩に対しもっと勉強をしようと思ったとき、再び門戸をたたき新しい自分を生み出すためにやって来てください。私たち名古屋学芸大学は、君たちと一緒に前進して行きます。大学とは君たちの母なる港であるとともに、新しく自らを磨き、鍛え上げる場所でもあります。母校を母校たらしめるのは社会に出てゆく君たちの力であります。

 この4年間、あるいは2年ないし5年間の生活に自信を持ち、新しい歩みを始める君たちに心からのエールを送り、私の送別の辞とします。

2020年3月20日
名古屋学芸大学 学長 杉浦康夫


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