ワークショップ

名古屋学芸大学健康・栄養研究所 ワークショップ
「実践につながる魅力的な教材作成と評価」(2013年) 第4回

テーマ

完成した教材を使用してロールプレイを行う

日時

平成25年12月7日(土) 9:00~17:00

場所

名古屋学芸大学管理栄養学部124教室

指導

足立己幸 氏(名古屋学芸大学健康・栄養研究所 所長)
塚原丘美 氏(名古屋学芸大学管理栄養学部 教授)
安達内美子 氏(名古屋学芸大学管理栄養学部 専任講師)

教材を使った支援の発表(教室ロールプレイ)

これまでの3回のワークショップで修正を重ねた教材を使用して支援(ロールプレイ)を行った。小学児童を対象にした食育授業の中で使用する教材を作成した栄養教諭あるいは学校給食の時間に食育指導を行なうための教材を作成した栄養教諭、さらに病院内で開催される栄養教室(腎臓病教室や糖尿病教室)で使用するパワーポイントを作成した病院栄養士は、他の参加者全員を対象者(児童や患者)として授業(教室)を行った。ロールプレイの前に想定している対象者と状況を述べ、実際の授業(教室)と同じように発表した。例えば、児童との掛け合いが必要な場合も他の参加者が児童になりきって会話した。終了後に教材の使い方などについて意見を述べあった。すべての教材が支援者と学習者の間に位置し、教材を通じてお互いの気持ちが一致することが確認できた。支援者は、教材を作成する過程で、段階ごとに達成目標を明確にし、伝えたい事柄をしっかり絞ることができた。このこともスムーズに授業を進めることができた要因である。

教材を使った支援の発表(個人指導ロールプレイ)

個人の栄養食事指導で用いるためのワークシートやテキストを作成した病院栄養士は、個人指導を想定して、ある参加者が患者役を演じて指導(ロールプレイ)を行った。他の参加者は、そのやり取りを見学し、終了後に意見を述べあった。教材は初回に比べると、余分なものは削除し、ターゲットをしっかり想定したことで伝えたいことがはっきりするようになった。しかしながら、実際の指導の場では、患者に教材を用いるまでの会話(指導)が大切であり、教材を使用する対象として想定した状態に患者を誘導できなければ教材を使いこなせない。今回は一つの教材を作成したが、本来は患者のあらゆる状態(食事療法に対する行動レベル)に応じて教材がそれぞれ存在しなければならない。患者の気持ちが食事療法に向いていない時に、テキストどおりに説明してもあまり効果が期待できない。

教材を使った支援の発表(e-learning試聴)

病院栄養士が作成した医療スタッフ向けのNST(Nutrition Support Team)に関するe-learning教材の場合は、パワーポイントを使用していたため、実際のスピードで試聴した。学習してもらうターゲットを細かく設定し、達成目標のレベルを下げてかつ明確にし、視覚的にも余分な表現を削除したことから、初回の発表よりもかなりわかりやすくなった。